Making Report

Fate/stay night | イリヤスフィール -天の杯-
2009年10月12日完成(Gallery に完成品展示)

Part 6 / 複製作業

今回は作業が押しまくって慌てて複製作業をしていたので、湯口を作るのを忘れた型がいくつかありました。
それはそれで後で切り込みを入れれば良いんですが、粘土埋め作業は本当に苦手です…。
一つの型を作るのに粘土埋めで三時間位かかってしまって、油の匂いも苦手なので辛すぎる!

 

大事な場所に気泡が入らないか、片面から粘土をはがす時にうっかりパーツが取れてしまわないか(前回やったので)二面目に入る前に細部に入り込んでいる粘土の除去忘れが無いかで常時ヒヤヒヤしましたが、そこは何とかクリア。
シリコン型は大小合わせて全部で4つになりました。

 

王冠は分割したくなかったので、3面取りにしてみました。
湯口をどう通したら良いのかえらく悩みましたが、何とか形には出来たような。
致命的な場所のものは弾きましたが、どうしても一部に気泡が入ってしまうので悔しいです。orz

 

短期間での複製にはやはり苦難を強いられましたが、友人の多大な協力もあって乗り切れました。
そうしてようやく、全パーツ14種類の複製が終わりました。長…かった…!
初期に複製した気泡の多いパーツに余ったレジンを流して穴埋めをして、サンプル塗装用に使おうと思います。

組み立て

ここはサポート的な意味合いも兼ねて、組み付け時の注意点も入れておきます。
元々が雑な作りなので、組み立てまでに手間がかかってしまう仕様になってしまいました。

前髪パーツは2分割になっています。
左側の縁の凸面のへこみ部分を、右パーツと接着します。
後ろ髪との段差が出来ないように接着前に顔+後髪+前髪(×2)をマスキングテープ等で仮組みして、複製で歪んでしまっている箇所をある程度先に直しておいた方が、後々の作業は楽になると思います。
 

毛先は意図的に丸みを帯びさせてあり、複製後に任意の形に削るようにしてあります。
ですが見た目重視で余り先端を鋭利にし過ぎると、干渉パーツを傷つける事もありますので、程々のシャープさが無難かなと。
むしろ確実に作業中の指に突き刺さるので、深刻なダメージを受けた。もとい、受ける事もあるので危険です。

 

また、前髪なんですが、王冠の縁より前にはせり出ないよう調整はしてますが、余り精度がありません。(すみません)
その為隙間がどうしても出来てしまうので、パテで隙間を埋めるなり削るなりして、後ろ髪を含めた髪パーツは王冠との接触面を調整する必要があります。
一番簡単な処理は、見えない所(面)はごっそり削ってしまう事だと思います。
前髪に関しては、キットによっては気泡が出来てしまっている場合もあるので修復がてら(すみません…)これを下記のような状態に整形して頂ければと思います。

 

隙間が目立つ理由として、キットの初期の状態で合わせ面が完全な凸形に出っ張っている為に、影がくっきりとしたラインで映りこんでしまい余計隙間が目立っているという事が上げられます。

 


そこで前髪の削り方の一例ですが、影がぼんやりとしか入らないように低い場所に向けた傾斜を付けるいうのが、実際やってみたところ手軽で有効な手直し方法でした。
上記のピンクの場所がなだらかな斜面になるようにヤスリがけ、またはデザインナイフで削り取ると下記のようになります。
 

これなら多少浮いてしまっても余り目立たないので、誤魔化しにはなるかなと…というか、そんな欠陥キットですみません本当。

 

上半身のパーツは下記のように組み合わせます。
かっちりはまらない場合は受け口が複製の影響で膨張している為なので、上半身側のパーツの接着面をU型彫刻刀やリューター等で適当に掘り削れば密着します。(フリル側は中心の強度が無いので、余り弄らない方が無難なのです。最初ポッキリやってしまった)
ダボも目安程度でしかないので、両袖の手を付く位置は、接着時に微調整する事になります。
 

▽形フリルと両脚に入るモールドは出来ればゴールドで塗装したいので、デカール等はあえて作っておりません。
実際どちらも簡単な記号なので、塗装が苦手な私が筆塗りしても、そんなに大変ではありませんでした。
大半は見えない場所になってしまうので見える場所だけ丁寧に、あとは最初に練習も兼ねて適当に塗ってしまいました。(横着者め…)

 

肩帯も2パーツに分解されています。
接着して内側に凸面が出来るのが、正しい形になります。
凸は背中に付ける際のダボになります。


但しダボは位置合わせの目安程度でしかないので(そんなのばっかりだなウチのキットは!)余りきっちりと胴パーツに密着させて接着してしまうと、レジン複製後の歪み具合によっては袖口に乗った部分が浮いてしまう可能性があります。その為、一度組み付けて状態を確認して浮いてしまう場合は、緩めに接着する注意が必要です。(接合面は髪を付けると全く見えなくなるので、背中側が浮いてしまっても肩上にフィットさせておきさえすれば、特に見栄えの心配はありません)

塗装作業

今回本当に時間が無かったので、塗装中の工程写真を殆ど撮ってません。
とりあえず、顔はこんな感じになってます。
改めて見るとえらい歪んでいて静止できませんが、反省的な意味も込めて残しておきます。
確かこの後、目尻周辺はもう少し手直しをしたとは思うんですが。
 

エアブラシでは単色吹きしかする時間が無かったんですが、肌の面積が少ないキャラなので、せめて顔だけでも…と、少しだけ陰影に赤みをつけてみました。
化粧っ気があるようなキャラでもないので、あくまでもナチュラルスキンで。
肌色も出来ればホムンクルスの透き通る様な色白さが出したかったのですが、そこは上手くいったでしょうか。

赤味はラッカーで薄めたものを周囲の色を溶かして混ぜ込みながら筆塗りしたので、微妙なぼかしになってしまいましたが、無いよりはあった方がいいかなというレベルです。しかしやっぱりだけど塗装ヘタだな。
ラッカー後付けで一部色剥げも起きてしまいましたが、イリヤは色白なのでそういう箇所が余り目立たなくて助かります…。髪で隠れる部分は相変わらず適当です。
眉は髪と同じ暖色系の灰色にしてみました。もう何段階か濃い目の方が良かったかもですが、ほぼ前髪で隠れる部分なので、今回はこれで良しとします。
瞳は聖杯起動前なのでホワイトで光は入れましたが、人形ぽさを出すのに余り瞳孔はハッキリとは塗り分けませんでした。
何となくぼんやり系。

ちなみに組み付けて不思議だったのが、この顔に髪を付けると余計、角度によって見える表情が違って来るなと思った事です。優しそうだったり不適そうだったり嬉しそうだったり。アルカイックぽい微妙さではありますが、ここら辺は完成写真で見ていただければと思います。
まぁ単に、私の造型が歪んでいて対称造型が作れていないせいで、バランスの悪さが反映されただけなのですが(笑)

それとデカールというか今回タトゥシールを導入したものの、これの使い方を把握する前に一発貼りで仕上げてしまったので、ものすごく歪んで…ます…orz
時間がある時にでも貼り直したくはあるのですが、塗装もやり直しになるしそれって何時だ。

参考資料

以下は使用した塗料のカラーチャートと、別途ペイントが必要な部分のデザイン資料です。
あくまで参考用のものなので、画像は縮小・拡大をしてあります。
キットに合った原寸サイズではありませんので、その点は予めご注意ください。
デカールとして使用したい方がおられた場合は、ダウンロードした画像を任意の大きさに変更してご利用頂く事は可能です。但し当キットへの使用以外の用途の場合はご遠慮下さい。

 

  • 髪・眉: グレーFS26440(Mr.COLOR)+クールホワイト(Mr.COLOR GX)1:4混合
  • : ノーツフレッシュ(ガイアカラー)+クリアーオレンジ(Mr.COLOR/重ね塗り用)
  • : ハーマンレッド(Mr.COLOR)+マルーン(Mr.COLOR/重ね塗り用)
  • 目尻・アイライン: マルーン(Mr.COLOR)+ブラック(Mr.COLOR)4:1混合
  • ドレス・王冠の中側: クールホワイト(Mr.COLOR GX)+カラーパールホワイト(ターナー・アクリルガッシュ/重ね塗り用)
  • 王冠の縁と裏面・ドレスの縁とモールド: ブライトゴールド(ガイアカラー)+シルバー(Mr.COLOR)+キアライエロー(Mr.COLOR GX)1:1:1混合
  • 肩帯: ハーマンレッド(Mr.COLOR)
     

 

王冠のモールド部分は本気で原型が歪んでいるので(…)このままクルリと巻くように貼る事は出来ません。(すみません…)なので、細かく切り取って貼り付ける方法になってしまうので、誤魔化しが効く様に小狡くボカシが入れてあります(´∀`)

そんな訳で、ようやく完成いたしました!
完成写真は、下記リンクより閲覧出来ます。