Making Report

Fate/stay night | アーチャー
2009年5月6日完成(Gallery に完成品展示)

Part 7 / 複製作業

複製作業にかかります。
作成したシリコン型に、幅広のゴムバンド(これも100円SHOPで売ってた。便利)とハンズで買ったベニヤ板で圧着してから、レジンキャストを調合して流していきます。
匂いが少なく好みの問題から、私は「Be-J/HGキャスト ホワイト(ノンキシレンタイプ) 」を使用しました。

 

使用方法はA液・B液を1:1の割合になるようにデジタル秤等で0.1グラム単位で計量したものを調合・撹拌して、前もって型に作っておいた湯口から流し込みます。
調合から注入完了の目安時間は約30秒。1分もするとすぐに硬化を始め、10~15分程で完全に硬化してしまうので、それまでに混ぜ合わせて生じた気泡を、パーツ部分から追い出さなければなりません。
なので手際が悪いとグダグダに…。

湯口の他に作った空気の逃げ道からもキャスト液があふれそうになったら注入を止め、型をトントンと叩いたりして中に留まっている気泡が空気穴に逃げるよう誘導します。
私の場合は誘導出来てるのかも怪しいのですが。
 

最初のショットは型が冷えているので暖かくなるまでは長く置いた方が良いみたいだったので、緊張しつつ硬化を待つこと30分。

ようやく始めてのテストショットパーツが完成いたしました!
ここまでこぎつけた苦労を思い出しながらも型をパカっと割り開いた瞬間は、本当に感動しましたよ。本当にコピー出来てる…!とか真っ白い!とか(笑)

 

こちらは型から取り出した状態。
ゴム圧が緩かったようで、バリが多いですが、ぱっと見た所気泡も目に付かず、結構綺麗に複製できているように見えます。
なにげに表面がツルツルしているのが嬉しい。
これも表面処理の効果があった証拠でしょうか。

 

キャストは意外と柔らかくて脆い為、パーツに傷を付けたり欠けさせたりしないよう慎重にニッパーで切り離していきます。
すると、左腕の指の付け根に結構大きな気泡が残っているのを発見。
別の型のスカートも何とか無事に複製出来たのですが、大きな穴が開いてしまっています。
これらの気泡の逃げ道を作る為、シリコン型を改めて修正していきます。
しかしこれが大変で、何十回分のキャストをテストショットに使ったか覚えていません。
毎回微妙な調整が大変でした…。
 

 

頭部は典型的な型の失敗例。
髪の上部分がスッパリとありませんが、これはキャストが足りなかった訳ではなく、これだけの空気の抜け道が足りなかったという事なのです。
その為、型から作り直すかは真剣に悩んだのですが、空気穴を出来るだけ多くする方向で、数日位格闘してました。


型を少し傾けたりとか涙ぐましい地味な工夫とか。(これは多少有効でした)
髪と胴は同じ型なのですが、頭部の空気抜けが多少マシになると胴に気泡が回ったり…と、本当に酷い状態で。orz
最終的には頭部の気泡は完全には防げなかったので、後で補修する形を取る事にしました。
 

ちなみにパチパチと切り取った細い湯口は、組み立て時の穴埋め用の補修材として使えるので、厚みのある部分は保管しておきます。

 

10日間に渡る複製作業との格闘の末、何とか全部のパーツが出来ました。
やったー!

出来上がったキャストには、シリコン型からの取り出しを助ける剥離材を塗装しているので、ガレージキットの組み立て方マニュアルに従ってとりあえず一晩、洗剤に漬けて油分を取り除きます。
レジンの汚れ落としには「入れ歯洗浄剤」も有効なようだったので、買出しついでに100円SHOPで(またか)お得な10袋入りを買ってきたんだぜ!
つーか、流石にまだ入れ歯洗浄剤を買うような歳ではないので、レジに持っていくのには勇気がいりましたが('-')

一晩漬けた後は、柔らかめの歯ブラシにクレンザー(研磨剤)を付けてゴシゴシと全部のパーツを洗っていきます。
これで前準備OK。(な筈)

 

 

そうしてようやく、複製品が完成しました!
 

 

ちなみに写真の丸いのは、版権表記用に用意した台座です。
これから湯口やバリ等を削り、気泡の多い部分を補修したりして、組み立て・着色に取り掛かろうと思います。