Making Report

Fate/stay night | アーチャー
2009年5月6日完成(Gallery に完成品展示) 

Part 1 / 製作開始

大変突発的に、初めてガレージキットの原型製作にチャレンジをしてみました。
本当は大昔に一度、フィギュア製作には一度チャレンジした事がありまして、その時は難易度の高さに挫折してしまったのです。ですので、今回のキットは自分が生まれて初めて最後まで作り上げる事が出来た、ファーストキットという事になります。
本当は完成の1年前から地味に手はつけていたのですが、実際には初歩準備からきっかり1年間も時間が空き過ぎたので、実質的な製作期間は3ヶ月程度だったと思います。

製作動機は、Fateで自分が好きなキャラ(アーチャー)のフィギュアが余り市場に出回っていない事と、その中でも格好良い系統の作品は、それでも他男キャラに比べたら随分と優遇されて作られておりましたので、初心者らしく融通が利きそうなチビキャラVer.で作ってみる事にいたしました。
 

使用するのは、高級石粉粘土『ニューファンド』です。
普通に手芸店でも手に入る、ファンドの中でも扱いやすさと美白とキメの細かさが売りの粘土です。あと安い。

 

以前は調合すると高熱を発して凝固する恐ろしい液体を使ったのですが(多分ポリパテのようなもの…)独特の科学調合の匂いと硬化後の余りの硬さに削り作業で腕を痛めてしまい、挫折したのでもっと軽くて柔らかいものを…と、硬化前は水にも溶けるし匂いも無い、無難なこちらの粘土にしてみます。

 

しかしどうみても既に使いかけです。
使う前に写真ぐらい取っておけって話ですよね。だが断る。

 

袋から取り出し使う分だけ千切って水でこね、パーツとなるアイテムを整形。
ファンドは非常に柔らかく乾燥による硬化時間が遅いので、いつまでも形が決まらず弄りまくってしまう私の様なノロマが作業するのには最適な素材なのですが、デメリットはそれ故の硬化にかかる時間の長さ。


右端の様な細い棒なら数時間で固まりますが、真ん中のボール大になると芯まで乾くのに3日位かかりますので、せっかちな方や時間が無い方には向きません。(なので、もっと小さい玉を先に作って乾燥させておいて、その上から薄皮状に伸ばしたファンドで包みながら乾燥させて大きくしていくのが基本的な工程になります)
硬化後は軽石の様に軽いです。なので力を入れて作業していると、パーツがよく手からポーンとすっ飛んでいくのでギャー!と叫ぶ今日この頃。
いつパーツが破損するかが、非常に心配です…。
 

上の頭用に作ったヤツがでか過ぎたので、別にもっと小さい卵形の頭部を整形。
右端の細い棒の先端部分を、カッターのこ(カッターサイズの小さいのこぎり)で切断して芯に使っています。
卵が乾燥した段階で、下の位置に「顎(アゴ)」となるパーツをくっつけました。
作業中は乾燥を防ぐ為に、筆で水をペタペタと塗り付け。

鼻じゃないの?と思われる方もいらっさると思いますが、目の前の箱で調べたら、そういう手法があったので。
実際、顎って体のバランスを左右しますし、首の付け根より位置が下になります。
横着して丸顔に首となる支柱をくっ付けるだけだと後で顎を付けて補わなければならないのと、のちのちの強度が心配にもなるので、こちらの手法を試してみました。
 

そんなこんなで、他の部分の盛り付けも完了。
今回はチビキャラなのでぽってりめな感じで…ちょっと大きくなりすぎたような気も。
少しずつファンドを盛りながら乾燥を待つのが面倒臭くなったので(駄目じゃん)一気におおまかな頭部を整形してしまいましたが、これで最初の重要な工程は終了です。

流石に硬化時間は長くなるだろうと思い、このまま1週間程放置する事に。
表面の凹凸は水で濡らしながら指で撫で付けてならしました。
余り水気を含ませると乾燥後の縮みやひび割れの原因になるのですが、そしたら又ならせばいいや~とか、大変アバウトにやっております。

顔の製作1

水溶性の泥人形を放置してから1週間程経過しました。
乾燥後は手触りもサラサラで表面も硬くなってましたが、芯の硬化が完全ではないようで、再度湿らせて力強く握ってみると紙粘土のようにまだ変形します。

 

これを利用して、筆で乾かないように水でファンドを湿らせたまま、最初に適当に盛っていたアゴの肉を、頬っぺた側に少しずつ指を滑らせながら移動させました。(ある意味小顔エステ?)
瞳と眉毛の位置をシャーペンで書き足す事で、ようやく耳の位置が決まったので耳たぶを整形してみたり。
写真のものは、上から何度もファンドを重ねた後の状態なので、輪郭線はほぼ消えています。
 

ちょっと大きめのダンボ耳ですが、チビキャラ&オールバックの髪なので、目立つぐらいに厚めにしてみました。
鼻の位置も上げたり下げたりで四苦八苦。

うーん、おでこの形が決まらない…丸みがあるのがいいのか、平べったいのがいいのか。
しかし「人形は顔が命と人形の秀月も申しておりましたので、顔が気に入るレベルになるまではいつまでも修正する構え。
角度によって違ったアラが見えてしまうので、立体はやっぱり難しいです。
 

横顔はちょっとヒヨコちっく。ぴよぴよ(・◇・)
耳はサイドから確認すると大きすぎかもしれないですが、どうせ削る事になるので放置で。

それと最初に「首の付け根はアゴより下」理論で芯を作成していたのですが、そもそもデフォルメされた輪郭なので実行してみると、どうしてもリアル面長になってしまいました。その為、開き直って首の付け根とアゴ先が平行に近い感じに修正。

この時期から別件で忙しくなった為、作業を一旦休止する事に。
その後、1年間も放置されてしまいました…。

 

……上の段階から、はや1年が経過しました…。

 

誰もがあのヘッドパーツや使いかけのファンドは大晦日に廃棄されているだろう…そう思っているだろう矢先、いや自分は捨てる気満々だったんですが「残念!年末は大掃除すらする暇がありませんでした!」というしょっぱい状況だった為に、かろうじてマテリアルは捨てられていなかった!(……)
でも開封されていたファンドは流石に乾いていた!
何時までたってもねんどろいどアーチャーは出ないし、諦め気分で作業を再開。

根が横着者なので、今回はストック用にとファンドを2袋ほど再購入。
流石にヘッドパーツはカッチカチに乾いていたので、ダルマの目に墨を入れる儀式のごとく目と眉、口などを書き込みしてバランスをチェックする事から作業を再開しました。

 

本格的に製作を再開する時には欲しかった物…『ホビールーター(電動ヤスリ)セット』もネットショップで購入しました。電動ヤスリは本格的なものだと一万円以上はしてしまうんですが、使い捨てタイプな安価で色々なものがあったので、二千円以下のモノを購入。わたしセコイ!送料も無料!
注文した2日後にはもう届いてビビッたけど。早く…仕上げろという事か…?
いやーしかし、これはまじ凄く良いです。ヤスリがけで手を痛める程の広範囲の厚い部分の削りも、ガリガリ掘ってくれるので、とにかく手にかかる負担が少ないのがいい!時間も随分短縮出来るし。ただ手元がかなり振動でブレるので、精密な作業は無理そうです。
しかしネックなのは削り粉まみれになるという事…コホコホ。
削りついでに、文房具屋で購入した彫刻刀で輪郭も削り出しました。